あるがままから恣に。

あらゆるやりたいことを達成していく過程を記して行きます。

『具体と抽象』を読み終えて <後編>

こんにちは、Noëllatです。

前回投稿で前編を書いたので今回は後編について書いて行きます。

----<再掲>----

さて、今回はこちらの本を読んだので、その感想や見えてきた課題について、綴って行きます。(前編と後編に分けています)

『具体と抽象』-細谷 功 著-

 界隈でも議論し尽くされている”具体と抽象”というテーマに関して、自分なりの解釈や意見は持っているものの、

有識者はどう考えているのだろう
・自分の日々の行動・思考・勉強に活かせることはないだろうか

と思い、こちらの本を手にとった次第です。

<前編>

  1. 感想

  2. 短時間でかいつまんで説明

  3. ”パターン化したがり”バイアス

<後編>

  1. 人間は感情で動く

  2. 相手に合わせた抽象度でコミュニケーション

  3. 「同じ」に見えることと「違って」見えること

  4. 最後に

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<後編>

1. 人間は感情で動く

人間は感情で動く。そんなの当たり前じゃんと思う人、いやいや論理でしょと思う人それぞれいるかと思います。ちょっと前まで、僕は後者でした。このところ、色々な経験をする中で、行動を決断する最後の権限は感情が持っているなぁと感じていた折、本書でも同様に論じられていたので、やっぱり感情なのかと支えられた思いがしました。

これが述べられているのは、実行に必要なものは何か?という文脈です。結論としては、実行には具体性が必要であるということを筆者は言っています。これは想像が付きやすいかと思います。「魚買ってきて」と言われてもサンマなのかマグロなのか?何グラム?等々が、この指示だと抽象的で伝わらないわけです。「サンマを2尾買ってきて」と言われれば、具体的で買うものが明確になります。

感情の話に翻ると、抽象度が上がれば上がるほど、客観的な表現となるため感情へ訴える要素が減っていくと筆者は述べています。「個人の実体験に基づく苦労話を聞いて泣く 人はいても、数学の話を聞いて感動のあまり涙を流す人はまずいないでしょう」、という具体例も添えています。

まとめると、個人が動くとき基本的に感情に基づくため、抽象度を抑え感情に訴求するような具体的な表現で伝えることで人は動くようになる、ということになります。

誰かに指示をする時、組織をマネジメントとする時、異性に何かをお願いする時など意識していきたいですね。

2. 相手に合わせた抽象度でコミュニケーション

何でもかんでも具体的にすればするほど、伝わりやすいかと言われると、必ずしもそうではありません。友人をご飯に誘おうと思って電話して、今何してるん?と聞いて、

幽遊白書の4巻読んでる」

と、言われたら、そんな細かいこと聞いてないわ、とか幽遊白書ってなんだろうとかってなりますよね?「今、マンガ読んでる」とだけ言ってくれれば、あぁ暇なんだ、じゃあご飯誘えるなって判断ができる状況ですね。相手がどのようなことを知りたいか、どのようなことを知っているか 等々を考慮して適切な抽象度で伝えることが肝要というわけです。

ついつい、仕事でも、自分が担当したタスクのことは自分が1番よく知っているし、自分が頑張ったことを伝えたくて不必要に具体的に報告してしまうことが、若手のうちは多いかと思います。上司やお客さんが気にしているのは、各ステップを具体的にどうやったかではなく、そのタスクが終わったのか終わってないのか、問題があるのかないのか、といった大局観です。

相手に合わせた抽象でコミュケーション。常日頃気を気をつけて行きたいです。

3.「同じ」に見えることと「違って」見えること

こんなことあったなぁと思ったことです。最後はただのあるあるです笑。

「同じ」に見えることと「違って」見えることとは、2つの事柄に対して、抽象度の低い(=具体的な)レイヤーで捉えると「違う」ものでも抽象度の高いレイヤーで見れば同じもの考えられる、ということを言っています。

学生時代、僕は家庭教師をやっていた時期があり、中学1年生を教えていました。その子は負の符号がついた数の四則演算をなかなかマスターしてくれませんでした。
5-(-2)は分かるのに、-3-(-8)は分からないといった具合で、僕はつい「同じじゃん」と言ってしまっていたのです。x-(-y)という形で抽象化できていれば同じと捉えられるわけですが、その子は当時出来なかったわけです。

結論はありません、あるあるなので笑。

4. 最後に

つらつらと、いわゆる読書感想文を書いてきましたが、ここまで書いてきて思うのは、具体例って重要、ということです。抽象概念をまだ知らない人に齟齬無く伝えるのに手っ取り早いのは具体例である、というのが最大の学びではないかと、思い至りました。伝えたい概念にジャストフィットする、かつ聞き手に取って身近で腹落ちしやすい具体例をいつでも引っ張り出せる、という力を身につけるべく精進して行こうと思います。