サンクコストバイアスに囚われないようにしましょう
サンクコストバイアス、如何にもコンサルタントが好きそうな横文字ですね笑
サンクコスト = sunk cost = 埋没費用です。
もう少し噛み砕きます。
埋没費用とは、
"すでに支出され、どのような意思決定をしても回収できない費用"
のことです。
バイアスとは、偏見、つまり偏った見方です。
従って、サンクコストバイアスとは、既に回収のしようがない費用に対して、人間の心理が作用して偏った見方をしてしまう、ということです。
より具体的には、積み上がったサンクコストに対してこんなにコストかけたからもったいないなぁと思って、ついつい同じことにさらに費用をかけ続けてしまうことと言えます。
分かりやすい具体例を示します。
映画を見に行ったとしましょう。
始めの20分を見て、
「原作と違って面白くないな。この先も期待できないな。」と感じたとします。
その時サンクコストバイアスがかかっていると、「せっかく2,000円払ったんだから最後まで見よう。」と考えます。
2,000円という埋没費用をもったいないと思って、その後の100分をも無駄にするわけです。
一方、サンクコストバイアスに囚われず、合理的に考えるならば、
「2,000円払ったけど、この後の100分を無駄にするくらいなら、もう見るのをやめよう」
と選択できるわけです。
様々な選択をする際に、多くの人がサンクコストバイアスに囚われています。
- 半分くらい読んだけど、この本あんまり面白くないな。けど、せっかく買ったし最後まで読もう
- せっかく国家資格を取ったんだから、このまま今の仕事を続けよう
- せっかく業界最大手企業に入ったのだから、このまま勤めよう
これまでかけて来た労力・時間・お金を無駄にするなんてもったいない、と思ってしまうわけです。
その時々で、満足ならそれで良いです。
しかし、何かしら不満があるのであれば、不満を抱えたままに時間を消費したり、不満な物事にお金を消費したりするわけです。
つまり、サンクコストバイアスがかかることで、新たなアクションを起こせなくなり、さらに多くのコストが積み重なる上、
別の選択をしたら得られるかもしれなかった何かをも失うことになります。
日常的なことからもっと人生の行き先を決めるような重大なことまで、
何か現状を変える際には、サンクコストバイアスに囚われそうになります。
(もちろん、コンフォートゾーンを抜け出すことへの抵抗感、上手く行くか分からない不安等様々な心理的障壁があるものですね)
しかし、それらを越えた先に得たい何かがあるのであれば、バイアスに囚われず合理的に考えましょう。
過去を大事にしてコストを垂れ流すのか、未来を見据えてその先の果実を得るのか。
どちらが賢明かは明白ですね。
※但し、上記の1~4の例だと厳密には"サンクコスト"ではありません。
支出したコストを回収できる(本の後半からは面白い、勤め続けていて栄転するなど)かもしれないからです。
一方で、他の選択を迷っている人は多くが今のまま進むことに将来性を感じていないことが想定されます。
すると、その時点で回収できる見込みが極めて小さい=便宜的に回収出来ないコストといえる、すなわちサンクコストであるとして論を進めました。